2014年08月10日

初・富士登頂

 
仕事をしながら夏休みの事を考えていた。

会社の中でも自分の所属する部署は8月中もずっと稼働の予定なので、交代で夏季休暇を取得する事になっている。
自分は一般的なお盆休みから1週間早い休暇なので、誰とも都合が合わず、どうしたものか・・・と考えていたという次第であった。
しかも、この貴重な夏休みの後半は台風上陸≠ニいう天災のイベントつき(;´Д`)=3
快晴で混雑しない日を限定すると、夏休み最初の木・金曜日しかなかった。

では、その日に何をするか?・・・

バイクで走り回るのも脳がない。
満足度さえ得られないのも判っている。

富士山に登るか!?

・未だ登った事がない。
・いつかは登ろうと思っていた。
・現在、山開きはしている。
・平日なら多少は空いている。

条件は揃っていた。

Mt.FUJI-001.JPG


【2014年08月07日(thu)】

調べてみると、富士山を登るにあたってまず2つの壁がある事を知った。

ひとつは移動手段。
4ヶ所ある登山口までの道の3ヶ所がマイカー規制の為に、駐車場からはバスを利用しなければならない事。
二つ目は、富士山ではコンロなどで火を起こす事が禁止されている事。

ひとつ目の問題は、御殿場ルートなら駐車場から直接登山出来るらしいので、そちらに決定する事で解決。
ふたつ目の問題は、山頂や中腹で調理しなければ良い事なので、簡単に補給できる食料と水を多めに持って行く事で解決。
インターネットからプリントアウトしようとした御殿場ルートは、自宅のプリンター故障の為に取り敢えず当てにならない丸暗記。

御殿場ルート.jpg

装備面では、ヘッドランプを持っていないので自転車用のライトと配線用のビニールテープを持参した。


22:00 自宅を出発。

到着したら仮眠をとって夜明け前に登り始めようかと考えていたので、ひたすらに一般道で富士山に向かう。
国道413号が山中湖に近づいた時、星空を遮る富士山のシルエットが見えた。
そしてその右肩には、吉田登山口から登る人たちのヘッドライトの光の帯。

(そうか、御来光を拝む人たちはもう登っているのか・・・
 到着したらすぐにでも登るか・・・)

そんな思いが強くなる。

【2014年08月08日(fri)】
1:00 御殿場口新五合目駐車場 到着

駐車場は真っ暗。
車は数十台停まっているが、その中で寝ているのか、すでに富士山に登って不在なのかは不明。
数台の車の陰でゴソゴソと登山の準備をしている気配がする。

準備しているうちに数名が登り始めた。
自分もその後に続くが、車から見た吉田口の行列から比べると、御殿場ルートのなんと寂しい事か・・・
肉眼で確認出来る限りでは、ヘッドライトの数は10にも満たない。
ある意味、マイペースで登れるって事だ♪

真っ暗な登山道・・・。
バックパックの肩にビニールテープでくくりつけた自転車のライトが照らす部分しか見えない。
振り返ると、5人ほど後続してくるのが見えた。

御殿場ルート:駐車場⇒大石茶屋.jpg

10分ほど歩くと大石茶屋に着く。
ここだけ灯りがあった。
店の左側を回って行くように示されている。

さらに暗闇の道。
道の脇にロープが張られているので、ここが登山道であると辛うじて認識できるだけだ。

上方にサーチライトのような灯りがいくつか見える。
そちらへ向かえば良いのだろう。
時おり振り返ると、御殿場の街の灯りが美しく映える。
が、所持しているカメラではキレイに写せなかった。

富士山中腹からの御殿場.JPG

それにしても歩きにくい。
一歩踏み出すと砂利で半歩戻される。
まるでスキーをしている時に板が外れて、ゲレンデの上に残された板を取りに登る感覚。

富士山ってこんなに登りにくいものなのか?
子どもも登っているはずなのに、こんなじゃ大変だろうなぁ。
ロープがあるから間違いないよな・・・

後ろを振り返ると、後続の人たちは東へそれている。
そちらの方にもうちょっと楽なルートがあったのかな?

調べた時にはそんなものなかったけど、須走ルートに直結するのかな?
手元に地図もなく確認のしようがない。

ちょっと不安に駆られた時、道標を見つけた。

良かったぁ〜
間違ってなかった(´▽`)♪

ライトを向けて確認すると、ちゃんと『御殿場ルート』って書かれてる♪

・・・が
ヒトが下向きに歩いているイラストって・・・


『下山道』 Σ( ̄□ ̄;)!?



・・・そう言えば、ルートを調べた時、途中から二股に分かれていたよな。

え?
どこに分かれ道があったんだろ!?

ライトの灯りを足元にしか向けていなかったので、どうやら分岐点を見落としたらしい。

ちょっと途方に暮れる。
下山道をこのまま登れば、上方にある灯りの場所に辿り着けるよな・・・

棒っきれが落ちていたので杖がわりにして登るが、砂利で埋まりずり落ちるので進んでいかない。
棒を捨て道の脇のロープにつかまり登ってみるが体力を無駄に消耗するだけだった。
太腿がつり、休憩回数と時間が増える。

正規の登山ルートを進んでいる後続だった人たちがサクサクと登って行くのが遠めに見えた。
御殿場ルートの登山道と下山道の違いは、ゲレンデに例えれば圧雪と新雪の違いというところか。

『夏の富士山で遭難!』

う〜ん・・・
カッコ悪い。

道は見えないが、登山道へ戻った方がよい。
しかし降りるにしても分岐点が判らないままでは仕方がないので、富士山を横切る事に。

ロープを越える。

ココ、ホントは歩いちゃいけないんだろうな・・・
てか、歩いて渡れるのかな?
ちっちゃい火口とかあって落っこちないかな?

真っ暗なので足元が見えないのが不安であるが、救われたのは樹木に覆われた山じゃなかった事だ。
下界の灯りのシルエットで山肌は見えるし、登山している人たちの灯りも見える。

だんだん東の空が白んできた。
地形が判って来た。
前後を見ると、間違いなく他人が歩いた形跡はなかった。

御殿場ルート中腹 (1).jpg 御殿場ルート中腹 (3).jpg 御殿場ルート中腹 (2).jpg

御殿場ルート中腹 (4).JPG

で、登山道でも下山道でもない中途半端なところで御来光♪

富士山中腹からの御来光.jpg


太腿をつっているので、山を横切る方が山頂へ向かうよりも都合が良かった。

ふたり、人影が見えた。
ひとりが座り込んで動けないでいる様子だ。

御殿場登山ルート  (2).jpg 御殿場登山ルート  (3).jpg 御殿場登山ルート  (4).jpg

あそこが登山道だ。
もうちょっと!

御夫婦かな?
ひとりは男性で、座っているのは女性らしい。
しばらく間隔を開けてついて行ったのだが追いついたので挨拶をした。

これをきっかけに下山まで御一緒する事になった。

彼らは父娘だった。
女性は二十歳という事なので、男性は自分とは同世代だろう。

自分の娘の話などをしながら休み休み歩く。
彼の娘が体力的に限界らしく次の休憩場所から下山させる、との事だった。
でも彼女はと言うと、辛くて登るのがしんどいのもあるが登り切りたい気持ちもあるようだ。

自分も太腿を時折つるので、ペース的には同じ。
ましてや、ほぼ中間まで来ているのだから勿体ない。
『ここまで来たんだから頑張ってみようよ』と促してみた。

後ろ髪を引かれているところへ背中を押した形になり、彼女は登る決意をしたようである。

「あそこで言ってくれたから最後まで登れた」
と、後でお父さんに感謝の言葉を頂いたのが嬉しかった。

後は画像にて、登山の様子。

御殿場登山ルート  (6).jpg 御殿場登山ルート  (5).jpg 御殿場登山ルート  (8).jpg

御殿場登山ルート  (10).jpg 御殿場登山ルート  (14).jpg 御殿場登山ルート  (15).jpg

御殿場登山ルート  (16).jpg

御殿場登山ルート  (20).jpg 御殿場登山ルート  (22).jpg 御殿場登山ルート  (24).jpg


下山道を登山
  &
下山道から登山道へのインターセプト

で体力を使い果たしたせいか、やっとココか〜
という印象だった看板がコレ↓

御殿場登山ルート  (25).jpg


どの山も登る度に感動するのは、標高が上がる度に眼下の景色が変わる事。

御殿場登山ルート  (29).jpg 御殿場登山ルート  (28).jpg 御殿場登山ルート  (30).jpg


新五合目付近にもこんな看板がふんだんにあれば迷わなかったのに・・・と思った道標。
いや・・・見落としただけなのか?
  ↓

御殿場登山ルート  (31).jpg 御殿場登山ルート  (33).jpg 御殿場登山ルート  (32).jpg



この辺になってくると、だいぶ富士登山≠轤オくなってくる。

御殿場登山ルート  (34).jpg 御殿場登山ルート  (35).jpg 御殿場登山ルート  (36).jpg

御殿場登山ルート  (37).jpg 御殿場登山ルート  (38).jpg 御殿場登山ルート  (39).jpg


結局は寄らずに済んでしまったのだが、山小屋のトイレは300円。
まあ、場所がら妥当。

御殿場登山ルート  (40).jpg 御殿場登山ルート  (41).jpg 御殿場登山ルート  (42).jpg


上を向いて歩いている時には気づかないのだが、ひとつ上の山小屋に着いてさっきいた山小屋を見下ろすと、下から見上げた印象とは違い、かなり登って来たんだなぁという印象に変わる。

御殿場登山ルート  (43).jpg 御殿場登山ルート  (44).jpg 御殿場登山ルート  (45).jpg

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御殿場登山ルート  (55).jpg



ちなみに、道中をご一緒して下さったU山さん父娘。
※ オレンジ=父 ・ グレー=娘

    ↓

御殿場登山ルート  (56).jpg


自分は太腿が痛み、二十歳の娘のMaiちゃんもなかなか足が運ばない中、
あとちょっと!℃ゥ分に言い聞かせる。

御殿場ルート:富士山頂付近.jpg 御殿場ルート:富士山頂付近 (2).jpg 御殿場ルート:富士山頂付近 (3).jpg


下界から見ると、恐らく富士山頂には笠雲がかかっているのだろう。
霧が発生し、山頂に着くや雨に変わった。

御殿場ルート:富士山頂付近 (4).jpg 御殿場ルート:富士山頂付近 (5).jpg 御殿場ルート:富士山頂付近 (6).jpg


あの鳥居がゴール☆

御殿場ルート:富士山頂付近 (9).jpg


12:10 登頂♪

20140808 (87).jpg

※ 正確には、あと6歩


こんな天候なので、お鉢巡りをしようにも何も見えない為、今回は断念。
次回の目標と決めた。

富士山頂.jpg 富士山頂 (2).jpg 富士山頂 (4).jpg

富士山頂 (6).jpg 富士山頂 (9).jpg 富士山頂 (7).jpg

富士山頂 (12).jpg 富士山頂 (11).jpg 富士山頂 (10).jpg



雨がいよいよひどくなり、雨宿りを兼ねて山小屋の食堂に入る。
この中もかなりごった返していた。

寒さもあり暖かいものを食べようという事になり、赤いきつねを購入。
普通の店舗ならば100円もせずに販売しているカップうどんが800円であった。
カウンターにはお湯だけの使用は出来ません≠ニあり、持参する事さえ許さない徹底ぶり。

まあ、この小屋の立場に立てば、ゴミを片付けるにも車両を使うにせよ大変な労力があるだろうから判らないではない。

しかし、800円かぁ〜
原価から考えれば、かなりの値入率である。



14:05 下山開始。

御殿場下山ルート.jpg


途中まで来た道を引き返す。
登山者が多くなり、狭い場所では下山する方は待つ感じになった。
明日の御来光を見る人たちなのだろう。

7合目で分岐し、宝永山方面に向かうと下山道になる。

同行の父娘がスパッツを装備し始めた。
そうしないと靴に砂利が入って痛いらしい。
自分もそれに倣う。
お父さんの方はスパッツを携帯してなかったらしく、予備の靴下で靴ごと覆った。

大砂走り。
1歩踏み出せば3歩分くらい下る。
足首の上まで砂利に潜るので、確かにスパッツを着用していないと大変な事になるかも知れない。

御殿場下山ルート (2).jpg 御殿場下山ルート (3).jpg 御殿場下山ルート (4).jpg


暗闇の中、ここを登ろうとしていたのか・・・
到底ムリだったな・・・

途中、自分が杖代わりにしていた棒っきれに再会した。
それをネタに、父娘に今朝の有様を語ると驚かれ笑われた。

分岐点からはかなり登って来たのが視覚的に解ると恐ろしくなった。
暗くて判らなかったのが却って良かったのか
『頑張ったな』という距離である。

それにしても不人気ルート。
周りに人影は無く、自分たち3人だけだ(笑)

御殿場下山ルート (5).jpg


17:00 駐車場着。

途中でトイレに寄って、あとから駐車場に入ると父娘と彼らの車が見えた。
お父さんの方の妹さんが1BOX車で待機しており、夜は星空を眺め昼間は読書していたらしく、自分が駐車場に戻ると御挨拶に来て下さり飲料まで頂いた。

恐縮しつつ、またどこかで再会できると信じお先に失礼する事に。
車中からMaiちゃんが手を振るのが見え、振り返しながら駐車場を後にした。


ガイドラインでは
登り7時間・下り3時間 ・・・とあるが、
休憩時間・ロスタイムを含めると
登り10時間半・下り4時間である。

上級者の方にしてみればその時間に近いところで往復できるのだろうが、素人は所詮ムリな時間設定だ。
『一休みして夜明け前から』なんて計画通りに実行していたら、真夜中の下山になってしまうところだった。

道を間違えたとはいえ、自分なりに富士登山は成功である。

posted by 神井 夙 at 04:00| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 登山・トレッキング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする